タイのバンコクに住み始めてもうすぐ1年。
うわー、都会だなー!思ったより発展してるなー!もはや東京やん!!
と、タイに来たばかりの頃は思っていて、
実際にバンコクは都会だし、日本のものでも欲しいものはなんでも手に入るし、
高いビルや大きなショッピングモールに囲まれていると
この便利な暮らしが当たり前になっているけれど、
日本人が多く住む、スクンビットエリアと言われる場所から車で約15分のところに、
クロントイスラムと呼ばれるスラムがある。
一見華やかに見えるバンコクの街だけれど、
実は、バンコクに住む人々の5人に1人はスラムに住んでいるらしい。
つまり、バンコクの人口の5分の1はスラムで暮らしているということだ。
以前、家の近くを散歩していた時に、
歩いていると急に景色が変わった場所があって、
同じバンコクとは思えないような、
急に一昔前にタイムスリップしたような、
気になって調べてみたら、
そこらへん一体は大きなスラムになっていることがわかった。
その日から、スラムのことが気になって、調べていた時に見つけたのが、
シーカーアジア財団が主催のスラムツアー。
ずっと参加したいと思っていて、今回ついに参加することができた。
スラムにはタイ人の他に、カンボジア人やベトナム人も多く住んでいるそうで、
主な仕事は、港や建築現場での仕事、バイクタクシー、屋台、飲食店の店員など、
バンコクでもよく見かける仕事ばかり。
スラムに住む子供たちは、中学校までは義務教育なので通うことができるが、
高校や大学に進学したくても、貧しくてできないのが現状とのこと。
結局、中卒ではなりたい仕事に就けず、
低賃金の仕事で毎日をやりくりしていくしかない。
高いビルが立ち並ぶ街から車でたった15分行くと、
こんなにも違う生活をしている人々がいるなんて。
こんな近い距離で格差社会が起きているなんて。
バンコクの本当の姿を見た気がした。
ツアーでスラムの中を歩き回っても嫌な顔ひとつせず、
写真を撮っていてもニコニコしてくれるスラムの人々を思い浮かべながら、
私が見てきたスラムの姿を見てもらえればと思います。
スラムに住む人たちの笑顔を見ていると
スラムに住んでいるからかわいそうとか、不幸とか、
そんな風には思わなかった。
でも、お金がないから高校生になれない、大学に行けない、
だからスラム出身の人ができる仕事は限られている。
そんな現実は嫌だなぁって思う。
スラム出身だって、医者になれるし、パイロットも目指せる!
そんな日が来るといいなぁ。
いや、きっと来る。
バンコクも10年前はこんな都会じゃなかった。
タイという国はまだまだ発展途上。
私にできることなんてほとんどないかもしれない。
でも、都会になったバンコクの街だけじゃなくて、
すぐそこにスラムがあって、そこに暮らす人々がいるということを知るだけでも
何かが変わる気がする。